精神科領域における評価尺度

 

精神科領域における評価尺度

精神科領域の診断・治療対象である精神症状の変化は、画像検査や血液検査といった定量的な計測機器を用いた測定方法では評価することができません。そこで、精神症状の重症度や治療薬の有効性などを評価するにあたり、可能なかぎり定量的に測定するための評価尺度が数多く開発され、広く用いられています。

各評価尺度は、評価の対象となる症状や関連する症状や事象などを特定し、それぞれを評価するための項目により構成され、多くは各項目に対してつけられた点数の合計によって評価されます。それにより、原理的に定量化が困難とされるさまざまな精神症状が可能な限り数値化されて評価可能となり、さらに評価者間における共通の物差しとしての役割も果たしています。

評価方法には、主に評価者が被検者を面接して評価を行う「面接者による評価」と、被検者に質問票を渡して被検者自身に評価を記入してもらう「自己記入式」があります。前者は、客観的に評価を行うことができるというメリットがある一方で、評価者によるバイアスを避け均一性を保つためのトレーニングが必要です。後者は、被験者に渡した質問票を記入後に回収するだけの簡便な方法で完結することや、判定者のバイアスがかかりにくいといったメリットがある一方で、被検者が自分の事実に基づかない回答をしてしまう可能性があります。

評価尺度の開発にあたっては、評価者間信頼性や試験-再試験信頼性などの評価が行われ、信頼性が十分にあるかどうかの確認が行われます。また、他言語に展開される場合には、翻訳された評価尺度の信頼性を評価するための検討が行われます。

本ウェブサイトでは、精神科領域において用いられている多数の評価尺度の中から、大規模な臨床試験で用いられているものや、実臨床で実施可能なものをピックアップし、その概要についてご紹介します。日本語版が存在するものについては日本語版の妥当性検証論文等の情報も併記してご紹介します。研究論文を読む際、またはご自身で研究計画を立てる際などにお役立ていただけますと幸いです。

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【評価尺度の分類】

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